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ノスタル爺の映画レビュー


ここでは気分をかえて、映画の紹介といきましょう。今まで見てきた映画の中で、私が特に気になったものを述べたいと思います。私の全くの主観で述べたものですから、意見が合わなくてもご了承ください。
”何でもいいからDVDやビデオを借りよ〜”なんて時に、ちょっとでもお役に立てれば幸いです。
徐々に更新していきます。

アクション SF  怪獣  パニック  ホラー ミステリー  アニメ 
人間ドラマ 青春  ラブロマンス  ファミリー  コメディ  時代劇 B級 

アクション


燃えよドラゴン1燃えよドラゴン2

燃えよドラゴン(Enter the Dragon)

1973年作品/監督・Robert Clouse/主演・Bruce Lee, John Saxon, Jim Kelly, Shin Kien他

3年ごとに武術大会が開かれる香港の小島。そこでは、麻薬密売組織の支配者ハンが、麻薬と暴力を使い君臨していた。この麻薬密売組織の内情を暴くため、また妹の復讐を果たすため、少林寺の高弟リーは一人この要塞島に乗り込む・・・


カンフー映画と言えば、そして、ブルース・リーと言えば、やはりこの映画になるでしょう。話のスピーディーな展開、登場人物の色分け、適度なユーモアと怪しい雰囲気やお色気、そしてやはり鏡の部屋でのハンの死闘、と、今見ても、そのよさが色あせません。
自分にとって、最初の”生身の”ヒーローが、このブルース・リーでした。ブルース・リーの映画も全て見ましたし、写真集や彼の雑誌を買い、おそらくその当時のかなりの人がやったであろう黒ヌンチャクを買って(笑)、ブルース・リーのようなヌンチャク使いを練習していました。
その当時は、単にその見た目の強さ・かっこよさに惹かれたのでしょうが、今思うと、彼の本物さというか、俳優というよりは、求道者・哲学者的な姿に惹かれていたのだと思います。オープニングの師匠とのシーンで語られる
”型を持たぬことこそ究極の技”とか”敵は人間が生み出した幻想に過ぎない”というセリフや、船上のシーンで見られる”戦わずして戦う”という考え方、そしてこのDVDのオマケとしてついている『Bruce Lee In His Own Word』というドキュメンタリー映画の中で語られる”マーシャルアーツは自己認識・表現”、”自然と不自然、本能と抑制の調和”、”水のような生き方”など、彼を単なるアクション俳優でなく、伝説の人物にさせた理由がよくわかります。この映画が日本で上映された時(1973年12月)、彼は既に亡くなっていました(1973年7月)。今彼が生きていれば、どのような存在になっていたのでしょうか・・・
この映画のテーマ曲も永遠ですね。聴くと体が戦闘モードになるような気がします(笑)。
オープニングの武術大会では若き日のサモ・ハン・キンポー、ハンの島ではユン・ピョウの姿も見られます(香港映画、カンフー映画が好きな人はどんな人かわかりますよね?)。あと、ほとんどわかりませんが、地下室でやられる役としてあのジャッキー・チェンも出ているようです。
あと、ハンの島の武術家というか練習生?たちのエキストラは、どうも気合が入っていないというか、時折爆笑している面々らも見られて、少しふきだしてしまいます・・・
”Don't thnk! Feel!(考えるな!感じろ!)”



ヤング・マスター/師弟出馬(The Young Master)

1980年作品/監督・Jackie Chan/主演・Jackie Chan, ウェイ・ペイ、シー・キエン、ウォン・インシク、ユン・ピョウ他

名門金龍道場で育ったドラゴンとタイガー。あるきっかけから、タイガーが道場を出て行くことになり、それを引き戻すためにドラゴンは旅に出る。しかし、タイガーは悪党一味の一員となってしまい、その罪を許してもらうために、ドラゴンは、悪党のボス キムとの一騎打ちにのぞむ!


ブルース・リーの映画を紹介すれば、ジャッキー・チェンの映画を紹介しないわけにはいきません。それだけ、自分にとっては、ブルース・リーに負けず劣らずの生身のヒーローです。「ドランクモンキー酔拳」をテレビで見たときからからジャッキー熱が始まり、当時彼の映画は見まくるわ、雑誌やグッズも集めまくりと、ジャッキーにあこがれまくりでした。ジャッキーのもちろん強い上に、面白いというところに惹かれていたのですが、子供心に「ジャッキーは俺たちファンのためにこうやって体をはってくれているんだろうな。なんてサービス精神なんだろう」と思っていました。今も色々な場面で、”相手を色々な形で驚かせたい・楽しませたい”という気持ちを持っているつもりなのですが、その精神は、間違いなくジャッキーから学んだことだと思います。
さて、彼の映画としては、やはり私にとっての青春時代である1980年代までのものを紹介したいのですが、さんざん迷った挙句、この映画にしました。1980年公開の、ジャッキー監督・脚本・主演の映画です。その理由は、もちろん、ジャキー映画の中で、過去最高回数、映画館で見たこともあるのですが、まずはストーリーというか、色々なネタがよくできているのですよ。
ジャッキー演じるドラゴンと、上述の『燃えよドラゴン』でも出てきたシー・キエン演ずるクァン署長との一連のやりとりは本当におもしろくできていますし、署長の娘からヒントを得たスカート使った闘いなど、本当によく考えているなと。そしてもう一つの理由は、自分が見たジャッキー映画の中で、過去最高のド迫力と言える、キムとの闘いでしょう(他には、ぶち切れた怒りのジャッキーが見られる『龍拳』、全盛期のとにかく肉体美が美しい『笑拳』、『スパルタンX』でのベニ・ユキーデとの対決などがおすすめ決闘シーンでしょうか)。キム役のウォン・インシクは、ハプキド―という韓国合気道の達人ですが、最初の登場シーンで、役人をぶっ飛ばすシーンでもう口あんぐり・・・そして、最後のドラゴンとの闘いは、両者とももう滅茶苦茶な迫力です。これらの闘いはワイヤーアクションを使っていたらしいので過剰な演出もされていたかと思いますし、最後の逆エビはどう考えても人形になっていますが(笑)、もう人が吹っ飛ぶ・吹っ飛ぶ。痛いという感覚を突き抜けて、もう爽快というか、快感なレベルです。私も水タバコを飲んで、無敵になりたかった・・・。
ジャッキー旋風の元になった『クレージーモンキー酔拳』、時計台の落下シーンが有名な『プロジェクトA』、木人(もくじん)と洞窟の饅頭が印象に残っている(笑)『少林寺木人拳』など、他にも色々と印象に残った映画がありますが、総合力でこの映画を紹介します。ちなみに、私が改めて見たDVDは香港公開版でして、少しタイトルシーンや音楽が変わっているのですよ。そのため、最後のシーンでは、国際公開版で流れていた、ジャッキーが歌う「さすらいのカンフー」が流れず、とほほ・・です。あと、日本語の吹き替えで有名な石丸博也さん。本当にこの人の声以外ジャッキーの日本語はありえませんねえ。



SF


バック・トゥ・ザ・フューチャー1バック・トゥ・ザ・フューチャー2

バック・トゥ・ザ・フューチャー(Back to the Future)

1985年作品/監督・Robert Zemeckis/主演・Michael J.Fox, Christopher Lloyd他


マーティさえない高校生。しかも家族までさえない。そんな自分の状況をどうにかしたいがどうしようもない。そんなある日、友人の科学者ドクがタイムマシンを完成した。しかしそのタイムマシンに乗り込むはめになったのがマーティ。そして到着したのが、数十年前のパパやママが若かりし頃であった。ひょんなことで歴史が変わり、ママにほれられるマーティ。彼女がパパといい関係にならなければマーティは生まれてこないことになる。果たしてパパとママをくっつけることができるのか?そしてマーティはもとの時代に帰ることができるのか?

これぞ正統派エンターテインメントの見本と呼ぶにふさわしい作品でしょう。多くの人が知っていることと思います。
ストーリー、伏線のはり方、盛り上げ方。そしてオチも最高です。さすが、製作総指揮スピルバーグと監督ゼメキス(下で述べている『フォレストガンプ』がやはり有名です)のコンビです。スピルバーグの『ジュラシック・パーク』なんかは、映像だけでストーリーなんかは全然イマイチなんですが、これはストーリーと映像がしっかり出来上がっています。
また、マイケルJフォックスの魅力もうま〜く引き出されています(私はお父さん役の人が気に入っているんですが、彼はパート2から替えられてしまいました。ガールフレンドもパート2からエリザベス・シューに替わってましたね。残念です・・・)。
パート3まで製作されましたが、やはりこのパート1が一番でしょう。



怪獣


キングコング(King Kong)

2005年作品/監督・Peter Jackson/主演・Naomi Watts, Jack Black, Adrien Brody


1993年ニューヨーク。映画監督のカールは、幻の孤島スカルアイランド(髑髏島)で誰も見たことがない冒険映画を撮ることを狙っていた。脚本家のジャックや、逃げられた主演女優の代わりに見つけたアンらを引き連れて、一行はスカルアイランドに到着する。そこで見たものは、凶悪な先住民や世にも恐ろしい生き物たち、そして伝説の巨大ゴリラ キング・コングであった。

怪獣映画というと、ゴジラ、ガメラと日本のお家芸のようなジャンルですが、ここでは、外国怪獣?の代表と言える、「キング・コング(2005年度版)」を紹介します。
”キングコングと名のつく作品は今までたくさん製作されているのですが、1933年に最初の作品が作られました。コングは、人形アニメ(ストップモーション)で撮影されましたが、当時大ヒット。その後、私もリアルタイムで映画館で観た1976年の「キングコング」(ジェシカ・ラングが有名です)や、日本でも、「キングコング対ゴジラ」などが製作されました。
今回の2005年度版ですが、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズで有名なピーター・ジャクソン監督が映画製作を志すきっかけになった映画が1933年度版の「キング・コング」であったということで、彼のコングに対する愛情というか、リスペクトする気持ちが画面からひしひしと感じられる作りとなっています。「スパイダーマン3」に破られるまで、映画史上最高の製作費(約250億)がかけられたとのことですが、ジャクソン監督はすみずみまで妥協したくなかったのでしょうね。CGも全編とても綺麗ですし、何より、コングがカッコいいのですよ。本当に渋いというか男らしいというか、アンに対する態度を見ていると、男が惚れるカッコよさです(笑)。ジャクソン監督がコングを大事に扱っているのがよくわかります。
あと、初期のころは、「ブレインデッド」などカルトなスプラッター&ホラー映画で有名であったジャクソン監督だからでしょうか。まあ気持ちの悪い生物がうようよ出てくること。谷底での昆虫系の生物との死闘はほんと気味悪くてゾクゾクします。
コングが最初に出てくるまで1時間弱かかり、トータルで3時間強の長い作品ですが、あまり時間が気になりません。
あと、もう最初から最後まで下着一丁で走りまくり、高いところに登りまくり、落ちまくり、のアン役ナオミ・ワッツさん、本当にお疲れさまでした!(笑)



パニック


ジョーズ(JAWS)

1975年作品/監督・Steven Spielberg/主演・Roy Scheider, Robert Shaw, Richard Dreyfuss


普段は平穏だが、夏は海水浴客でにぎわうアメリカ東海岸の街、アミティビレッジ。50周年目を盛大に祝う予定であった今年は、いつもと状況が違った。巨大なサメに人々が襲われたのだ。赴任したばかりの警察署長ブロディは、遊泳禁止を訴えるが、観光客が来なくなり街の利益がなくなること恐れた市長をはじめ、対応が鈍い。そのうち、どんどん人が襲われ始め、どうにもならない状況に・・・事態を解決するために、ブロディは、海洋学者のフーバー、地元の荒くれ漁師クイントとともに、巨大サメの退治にでかける。

動物系パニック映画の最高峰と言いますか、元祖だと思います(正確には、ヒッチコックの『鳥』が最初かもしれませんね)。誰でも一度は耳にしたことがあるであろう、ジョン・ウィリアムスの「ダーダ・・・ダーダ・・・」の音楽にのって、姿を見せない巨大サメ(サメを直接的に見せないほうが効果的という戦略です)が人を襲いまくります。
ロイ・シャイダ―演じる地元警察署長ブロディ、リチャード・ドレイファス演じる海洋学者フーバー、ロバート・ショー演じる漁師クイントを中心に、事なかれ主義の市長やブロディ署長の妻や子供たちなど、キャラクターの色付けも抜群です。また、テーマ曲で観客を条件づけたり(「ダーダ・・・」の音楽が出てくると、観客は「あっサメが来ている」、音楽が速くなると、「ああ、もうすぐサメに襲われるで〜」と思うわけです。一方でそれを裏切ったサメの見せ方をして観客を驚かすこともできると。)、上述したサメの見せ方や、カメラワーク(署長が海を監視するときの署長の視線の見せ方なんてGood!)なども素晴らしいです。あと、スピルバーグ監督も好きなシーンらしいですが、やはりクイントが語るインディアナポリス号のくだり、いいですね〜。ブロディ署長が、初めて巨大サメの顔を見たときに言う「船が小さすぎる・・・」の台詞とともに、たまらないシーンです。最後のボンベ爆発シーンなんかも、「そんなことありえるはずがない」ということで、原作者のピーター・ビンチリ―とスピルバーグ監督はもめたらしいですが、「観客はこの最後を違和感なく、そして興奮して受け入れるはず」ということで最終的にこうなりました。正解だったでしょう!
アメリカ映画で映画史上初めて1億ドルを突破し、第48回アカデミー賞では、作曲賞、音響賞、編集賞を受賞しました。
ちなみに、ブロディ署長が再度巨大サメと戦う『ジョーズ2』、ブロディ署長の息子が主人公となり巨大サメと戦う『ジョーズ3』(これは、偏光眼鏡をつけて見る3-D・立体映画でした)、最後はなんと、プロディ署長の妻が戦う『ジョーズ '87復讐編』とあります。ブロディ一家、かわいそうすぎます・・・(笑)。また、この頃、『ピラニア』(ピラニア)、『グリズリー』(熊)、『オルカ』(シャチ)、『テンタクルズ』(タコ)とか、動物パニックものがよく出たんですよね〜。このあたりはB級色一杯でこれはまたこれで魅力的なのでまた機会があれば紹介します。



ホラー


シャイニング1シャイニング2 シャイニング(The Shining)

1988年作品/監督・Stanley Kubrick/主演・Jack Nicholson, Shelley Duvall他


コロラド山中のリゾートホテル。ひとたび雪が降れば外界と遮断されてしまうこのホテルに、小説家のジャック(ジャック・ニコルソン)とその妻、息子ダニーの家族が冬季管理人としてやってきた。アルコール中毒だった彼は、自然に囲まれた環境の中で立ち直ろうとしていた。だが彼等を待っていたのは悪霊の巣窟であった。悪霊は幼いダニーの超能力“シャイニング”を待っていたのだ。そして、その能力を手に入れるための共犯者として選ばれたジャックは、徐々に正気を失っていく・・・

数あるホラー映画の中でもこれがぴかいち!スプラッター系なんかは、私、がははと笑ってしまい、全然恐くないんですが、これは恐い!というか素晴らしい!これこそホラーです。
オープニングの延々と続く道路、それが恐い!ホテルの中のただの廊下、それが恐い!同じ言葉が延々と書かれた原稿、それが恐い!恐怖におののく母親の顔、無機質なバーテンの顔、それが恐い!そしてとにかく、途中のフラッシュバックに出てくる、ポツンと立てった双子の姉妹。これが恐ろしい〜!!!
さすがにスティーブン・キングの原作を、巨匠スタンリー・キューブリックが監督しただけのことはあります。キューブリックの作り出す風景というのは、非常に美しい反面、恐いんですよね〜。なにか生命の息吹が感じられないというか、動きのないものの中にポツンと取り残されるような感覚は、結構みんな嫌なんじゃないでしょうか?
あまりにも恐い恐いと言いましたが、な〜んだたいしたことないやんと言う人もいるでしょう。でも、”ギャー”じゃなくて、”ぞくっ”とする恐怖を味わいたい人にはお勧めです。自分の子どもが人差し指を曲げて、”RED RUM”と口走り始めた人、要注意です。いないか・・・(笑)


ゾンビ1ゾンビ2 ゾンビ(ZOMBI DAWN of the DEAD)

1978年作品/監督・George A Romero/主演・David Emge, Ken foree, Scott H. Reiniger, Gaylen Ross 他

世紀末。突然死者が蘇り、人肉を求めて人々を襲い始めた。死者に体の一部を食われたものは、ゾンビとなり、新たに人を襲う・・・混乱の街からヘリで脱出したスティーブンと恋人のフラン、SWAT隊員のロジャーとピーターの4人は、郊外にある巨大なショッピングセンターにたどり着くが・・・


”マスター・オブ・ホラー”と呼ばれるジョージAロメロが世に送り出したゾンビ映画(他に、”Night of the Living Dead (1967年)”、”Day of the Dead (死霊のえじき)(1985年)”、”Land of the Dead (2005年)”、”Diary of the Dead (2007年)”、”Survival of the Dead (2009年)”等があります)中、最も高い評価を受けています。
兄の影響で各種ホラー映画は子供のころからよく見ていて、その中でも、ゾンビ映画は幾つも見ていたので特に思い入れがあります(このジョージAロメロ作品以外では、ルチオ・フルチの『サンゲリア』や、ダン・オバノンの『バタリアン』などが印象に残っていますね〜)。その中でも、やはり、この作品が一番印象に残っています。
人間が持つ様々な欲望の象徴としての巨大ショッピングセンター、そこで繰り広げられる少数の”生”と圧倒的な数の”死”との戦い。上で紹介した『シャイニング』も同様なのですが、大きな空間であるものの、閉じられた世界、ましてやそこで”生きている”者はごく少数というシチュエーションはとても不気味です。そして、愛する者や身近な者がゾンビとなり、その者を破壊しなければ自分がゾンビになってしまう世界で、人の理性が徐々に壊れていく・・・なんともいえない終末感が見事に描かれています。クライマックスのエレベーターシーンをはじめとして、数多くの印象に残る残酷描写もさることながら、恐怖を煽るゴブリンの音楽も印象に残っています。
"When there's no more room in hell, the dead will walk the earth"「地獄が一杯となった時、死者が地上を歩き出す」・・・色々と奥の深い映画です。
P.S. 本作の舞台となった巨大モール、ペンシルバニア州のピッツバーグにある”モンロービルモール”には行ってみたいですね。あと、いつかゾンビ映画のゾンビのエキストラやりたい〜(笑)


ミステリー


セブン(SE7EN)

1995年作品/監督・David Fincher/主演・Brad Pitt, Morgan Freeman, Gwyneth Paltrow


退職寸前のベテラン刑事サマセットと新人刑事ミルズは、複数の殺人事件の謎を追うにつれ、それらがキリスト教の「七つの大罪」-”GLUTTONY(大食)”、”GREED(強欲)”、”SLOTH(怠惰)”、”LUST(肉欲)”、”PRIDE(高慢)”、”ENVY(嫉妬)”、”WRATH(憤怒)”をモチーフに行われていることをつきとめる。いったい、誰が何のために・・・

全体を覆うダークな雰囲気(いつか紹介するであろう、『ブレードランナー』の世紀末な雰囲気に似ています)ならびに最後のオチの救われなさがたまりません。もちろん、新人刑事ミルズを演じたブラット・ピットに、もっとショックで狂いに狂ったような演技をしてほしかったですが・・・(私なら間違いなくそうなります)。
オスカーにもノミネートされた「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」や「ソーシャルネットワーク」、私がもう一つ好きな作品「ファイトクラブ」で有名な、デヴィッド・フィンチャー監督作品です。この映画の魅力は複雑な謎解きというよりも、どういう意図でこの手の猟奇殺人が行われていたのか・行われるのか、ということでしょう。殺人はどんな理由であれ許されるものではないですが、この手の、ある信念を持ち、特に人間の”業(ごう)”というものを処罰しようとする犯罪者というのは、語弊はありますが逆に魅力的にうつります。そういったキャラは、最近では、映画「ソウ」シリーズのジグソウでしょうか・・・いずれにせよ、簡単には治せない人の”業”が絡んでいるからこそ、勧善懲悪もので感じられるような、わかりやすい単純な気持ちでなく、言葉に表しにくい、漠然とした闇というか不安感・やるせなさのようなものを感じてしまいます。ということで、私の好きなモーガン・フリーマンと○○(犯人役)も出ていてとても印象に残る映画です。



アニメ





銀河鉄道999 & さよなら銀河鉄道999-アンドロメダ終着駅

1979年&1981年作品/監督・りんたろう/声の出演・野沢雅子、池田昌子、肝付兼太、井上真樹夫、他

(第1作目)母の命を機械伯爵に奪われた鉄郎は、謎の美女メーテルから999号のパスをもらい、機械の体を求めて宇宙へ旅立つ。旅の途中、様々な人々と出会いながら、鉄郎はたくましく成長していくが、終着駅メーテルで彼が知る事実とは・・・・
(第2作目)地球に戻り機械人間と戦い続ける鉄郎は、メーテルからのメッセージを受け取り、再び999号に乗り込む。メーテルがプロメシュームの跡を継いだとの噂を聞き、とまどいながらも、メーテルと再会し旅を続ける鉄郎。今回の終着駅惑星大アンドロメダで知る真実とは・・・


テレビでも放映されていた銀河鉄道999の初の劇場用長編とその続編です。この2作は私が8歳そして10歳の頃の作品で、この頃は映画館で手当たり次第に映画を見まくっていた頃です。最初はあまり999のファンというわけではありませんでしたが、この2作を劇場で見てから、自分にとって999は大事な作品の一つになりました。
この二つの映画が私の琴線に触れるのは、少年が色々な人に守られながら、様々な試練を経験し大人になるその過程が共感できることもあるのですが、永遠の命を与えてくれる機械の体を求めていた鉄郎も気付く、”ある人の思いが、人から人へ受け継がれていく・・・それこそが本当の永遠の命”という、限りある命の尊さを謳うメッセージがとても好きだからです(『ビッグ・フィッシュ』の紹介のところでも似たようなことを述べましたね-笑)。
多くの人にとって鉄郎は自らの少年の日々の姿であり、メーテルは永遠の憧れ、恋人であり、姉であり、母でもあるのでしょう。そして、永遠の兄貴・姉貴ともいえるハーロックやエメラルダス等等多彩な登場人物は、自分の人生で巡り合ってきた様々な人たちを思いださせてくれます。こういった多少なりとも自分の人生をや思いを登場人物の誰かに投影できるところが、この作品の魅力だと思います。
第1作目のゴダイゴによる歌(主題歌である『THE GALAXY EXPRESS 999』は当然有名で好きですが、挿入歌である『TAKING OFF』もいい!)も印象に残っていますが、2作目の主題歌である『SAYONARA』は、あのイントロがかかっただけで涙目になるほど(笑)、自分の心の中の何かを喚起してくれる、みゆきの『想い出がいっぱい』に並ぶ我が青春の一曲です。
1作目のラストの、夕焼けの空に旅立つ999を鉄郎が見送るシーン、なんて美しい景色なんでしょう。そして、ゴダイゴの歌が始まって、鉄郎のアップ。そして鉄郎が線路を戻っていくエンドロール。いや〜本当に素晴らしい流れです。
「いま、万感の思いを込めて汽笛が鳴る。いま、万感の思いを込めて汽車が行く。一つの旅は終わり、また新しい旅立ちが始まる。さらばメーテル。さらば銀河鉄道999。さらば少年の日々・・・」



サマーウォーズ(SUMMER WARS)

2009年作品/監督・細田守/声の出演・神木隆之介、桜庭ななみ、谷村美月、富司純子、他

あこがれの先輩、夏希のお願いで、彼女の田舎を訪れた健二。数学オリンピックの日本代表にな(りそこね)る程の彼が、ふとしたことである暗号を解いたことから、世界中の人々が集うインターネット上の仮想世界OZが大混乱になる。その混乱の根源となった人口知能ラブマシーンに立ち向かうのは、健二と夏希の大家族 陣内(じんのうち)家の人々であった。


私の小さい頃の思い出は、いつも夏休みの時期に訪れていた田舎の祖父母の家と共にあります。母方の従姉妹家族たちも大集合し、色々な所へ遊びに行ったり、皆でワイワイがやがやおいしいものを一杯食べ(その時祖父母が買ってくれていた三ツ矢サイダーとバヤリースオレンジ、そして麦茶の味なども忘れられません)、子供たちは雑魚寝して・・・大きくなってその家を訪れた時、「こんな小さな部屋で俺達子供は皆寝ていたんだなあ」と驚いたことなどを昨日のことのように思い出します。祖父が亡くなり、祖母は別の場所に移り、そして皆が大きくなってからはそんな機会はなくなりましたが、その頃の一連の出来事は私がいつまでも大切にしたい思い出です(今は、嫁の実家がそんな感じでして、自分の息子を連れて遊びに行った時に同じような”ワイワイガヤガヤ”が起こっています。それを見ているのがたまらなく好きでして・・・)。監督の細田氏も、奥様の実家(この映画の背景ともなっている長野県上田市)の家族・親戚の風景からヒントをもらってこの映画の構想ができたそうですが、どんなに離れていても、また、それぞれがどんな生き方をしていても、家族の絆は何にも代えがたい強さと包み込むようなやさしさを持っています。
登場人物も皆普通っぽく見えますが、それぞれが色々な得意分野を持っていてラブマシーンに戦いを挑んでいくのもおもしろいですし、「ガンバの冒険」のノロイちっくな恐ろしさを感じさせるラブマシーンによってスリリングな展開が次々起こり飽きません。花札がキーになっているのも好きですし(昔よくやっていました。他に麻雀が好きですねえ)、敗れる寸前の夏希に差し伸べられる小さい沢山の心。このあたりのシーンはぞくぞくします(ナウシカの最後のシーンを思い出しました)。山下達郎の主題歌も本当にいい感じです。
夏の入道雲の下、栄(さかえ)ばあちゃんに小さい頃の侘助(わびすけ)が手をひかれて歩いているあのシーン。夏空を前にした縁側の風景、等等。この映画を見るたびに、あの夏の思い出がくっきりとよみがえります。



人間ドラマ


ショーシャンクの空に(The Shawshank Redemption)

1994年作品/監督・Frank Darabont/主演・Tim Robbins, Morgan Freeman, Bob Gunton,


妻と間男を殺害した罪で、銀行の副頭取であったアンディ・ディフレーンがショーシャンク刑務所に入所してきた。最初は孤立していた彼であったが、刑務所内の調達屋であるレッドらと徐々に交流を深めていく。ある日、ハドレー主任の遺産相続問題を解決したアンディは、ノートン所長からも一目置かれるようになり、彼の不正隠しに利用されるようになる。ただし、彼はある考えを胸に秘めていた・・・。

この映画レビューでは私が個人的な好きな(気になった)映画を紹介しており、どの映画にも思い入れがありますので、”この映画が一番!”と順位づけを本当はしたくありません。ただ、この約40年間、映画が好きで様々なジャンルの映画を見てきたのですが、この映画が自分が出会った映画の中でベスト1ではないかと思っています。様々な登場人物の描写、各シーンやエピソードが一部の隙もなく密接に絡んだストーリー展開、メッセージ性、全ての要素が自分にびびっと来て、「俺が監督ならこのシーンはこうしたのに・・・」という批評をすることがありませんでした。時間は142分ということで決して短くはありませんが、それを感じさせない完成度の高さを持っている映画だと思います。
原題にある”Redemption”には、贖罪、救済、解放、償い、救出といった意味があります。人は誰でも多かれ少なかれ、何らかの罪(”業”と言ってもよいかもしれません)をおかしてしまう動物だと思います。ただ、それを反省できるのも人、それを糧に精神的に成長できるのも人であり(もちろん全く逆で罪を重ねてしまうだけの人もいるかもしれませんが)、そして、その人としての罪や業から解放してくれるものが、アンディも言っているhope(希望)なのでしょう。私もhopeという単語が好きで、hopeを持つことで今まで色々と助けられてきましたから、この映画がビビッときたのかもしれません。
皆でビールを飲むシーンや老人ブルックスのエピソードも心に響きますし、あのレッドの仮釈放審査の3段階の見せ方もうまいなあと。そして、「I hope I can make it across the border. I hope to see my friend and shake his hand. I hope the Pacific is as blue as it has been in my dreams. I hope...」と、レッドがバスに乗って、ジワタネホのアンディに会いに行くあのバスのシーン、そして最後の、二人が笑顔で再会する砂浜のシーン、もうたまらんです。
1994年(第67回)のアカデミー賞では、主要7部門(作品賞、主演男優賞、脚色賞、撮影賞、編集賞、楽曲賞、音響賞)にノミネートされましたが、無冠に終わっています(以下に述べるフォレストガンプの一人勝ちのような感じでした)。ただ、いつ見てもそのじわっとくる感動が色褪せません。
Hope is a good thing , maybe the best of things, and no good thing ever dies
いつも力を与えてくれます。



フォレストガンプ1フォレストガンプ2

フォレストガンプ(Forrest Gump)

1994年作品/監督・Robert Zemeckis/主演・Tom Hanks, Sally Fiedl, Robin Wright, Gary Sinise他

IQの低さにもかかわらず、母親の愛情を受けて、まっすぐに育ったフォレスト・ガンプ。運命がもたらす不可思議な力によって、様々な人と出会い、数々の奇跡を残しながら、時代の英雄として歴史をかけめぐっていく。そして彼には常に愛する一人の女性がいた・・・

1994年度(第67回)のアカデミー賞では、作品、監督、主演男優、脚色、視覚効果、編集の6部門を受賞した、ロバート・ゼメキス監督によるヒューマンドラマの傑作です。1950年代から80年代にかけてのヒットナンバーに彩られながら、戦後アメリカの現代史を知ることもできます。ケネディ大統領やジョン・レノン等との共演?も実現しています。
ここでは、やはり””一途さ”、”無心さ”、”純粋さ”、”素直さ”、”ひたむきさ”という言葉がキーなのでしょう。特別な欲はなく、自分の心のままに、そして人々の言葉を素直に聞くフォレストは、数々の奇跡を生み出し、彼に関わった人を結果的に幸せにしていきます。そして、出会った時からずっと続いてきたジェニーへの愛。彼女は彼よりも先に永遠に旅立ってしまいますが、その愛はフォレスト・ジュニア(この後、”シックス・センス”で有名になるハーレイ・ジョエル・オスメント)へと受け継がれることになります。
皆好きなキャラクターばかりなのですが、個人的には、ババが好きですね〜。シュリンプ(えび)だけを思い続けたこいつもフォレスト並みの純粋ないいやつなんです(ちなみに、ババ=ガンプ社の赤いキャップをジョギングする時によくかぶってました)。
ヒーローと言えば、マッチョなアクションものを思い浮かべますが、このフォレストこそ、理想のヒーローだと思っています。肉体的な強さではなく、その心の強さ・広さ・自由さが、です。映画の最初と最後に出てくる”羽”。風に吹かれるまま揺れ動くあの羽は、運命に翻弄される人間のはかなさを表しているのかもしれませんが、一方で、自由に色々な場所に飛び立つことが出来るという、人間の可能性を表しているような気がしています。
「人生はチョコレートの箱のようなもの。開けてみるまでわからない」・・・見るといつも元気のでる大好きな映画です。
主演のトムハンクスにとっては2度目のオスカー受賞作でした(前年1993年の”フィラデルフィア”で最初の主演男優賞を受賞)。



ビッグ・フィッシュ(Big Fish)

2003年作品/監督・Tim Burton/主演・Ewan McGregor, Albert Finney, Billy Crudup, Jessica Lange他


エドワード・ブルームは、その社交的な性格と数々の奇想天外なホラ話で人気者。ただし、そういったホラ話を何度も聞かされて育った息子のウィルは、大人になっても、何が本当の話なのか、そして父がどういう人なのかがわからず、彼とは距離を置くようになる。その父が病気となり、もう先が長くないという時、ウィルはそれらホラ話の裏に隠された父の真実を知るようになる・・・

確か劇場公開から数年後、海外に向かう飛行機の中で何気なくこの映画を見、最後のエンディングで、ボロボロ泣いてしまった映画です。
エドワードの数々のホラ話がティムバートンらしい風景で映像化されますが、バートンらしいファンタジー一色の話ではなく、病床で死ぬ間際の父と息子の和解という、ある意味現実的かつ普遍的なテーマを扱った作品となっています。
本当に父と息子って、独特な関係と思うのですよ。母と娘の関係は、お互いが年をとっていっても、何か友達のような感覚で付き合えるところも多いと聞きます。一方、父と息子というのは、もちろん友達のような感覚もゼロではないですが、見習うべき尊敬すべき人、怖い人、色々な意味で超えたい思うライバル的な人、時には、こうはなりたくないと憎むべき人等等、同時に色々な存在になりうる場合が多い気がします。それだからか、はたまた”男はこうあるべき”という社会的なバイアスがまだまだ根強いからかもしれませんが、お互いのコミュニケーションのやり方も、女性と比べると一般的に下手というか、独特な感じであるような気がします。
エドワードがなぜ、ホラ話ばかりをしていたのか。本当は、それは愛するウィルのためであり、彼が伝えたい人生のメッセージであったのではないでしょうか。何事も世の中は白黒がつくものではなく、また、”真実”の上に”誇張”という名のスパイスをふりかけることで、人生がもっともっと楽しく幸せになるということを。自らのホラ話を聞かせることによって、父の最後を看取ったウィルは、幸せな表情で息をひきとった父を見て、はじめてそのことに気づけたのではないでしょうか。
何かが誰かに受け継がれ、、それが永遠に生き続けるというシチュエーションは、私にはとてもたまらないテーマでして、こういった物語をみるとすぐにウルウル来てしまいます(笑)。父親を最近亡くし、一方で息子がすくすく育っている中では、より一層そのことに敏感になっている気がします。父が亡くなる前、確か春の木漏れ日の中、家族みんなでご飯を食べに行きました。その帰りの、最寄りの電車の駅から実家までの数百メートルの距離を、母や嫁がしゃべりながら、そして前を父が歩き、息子を載せたベビーカーを押しながら私が後ろから歩いていたシチュエーション・・・その時えも言われぬ幸せな気持ちを感じました。命がずっとつながっていっているというか・・・。最後に愛する息子に理解され、自らの思い出(ホラ話)に見送られながら死ねたら、本当に人は幸せだと思います。
サーカス団の団長としてダニー・デビート、変な詩人役のスティーブ・ブシェミ、バートン映画常連のヘレナ・ボナム=カーターやディープ・ロイ(台詞および出番は今回ほとんどなしですが・・・笑)等等、わき役もみなとてもいい味を出しています。



青春


ファンダンゴ1ファンダンゴ2

ファンダンゴ(Fandango)

1984年作品/監督・Kevin Reynolds/主演・Kevin Costner,Judd Nelson他


時はベトナム戦争真っ只中の1970年代。卒業式を迎え、結婚間近のワグナーは幸せなはずだった。しかし、戦争への召集令状を受け取った彼は結婚をキャンセル。その落胆ぶりを見ていたガードナーは、悪ガキ?グループ、グルーパーズの最後のはちゃめちゃ旅行を計画。目的は、旧友?のドムに再会すること。カタブツ、フィルのキャデラックに乗り込み、5人は旅に出る!

映画・アンタッチャブルなどで有名になる前の、若かりし頃のケビンコスナーが出ています。
私が好きな映画というのは、笑ったりハラハラしたりが続いて、最後にほろっとくるタイプで、この映画はまさにそれに当てはまります。あまり、お涙ちょうだい、一本槍のやつは好きではありません。この、ほろっが重要です。
若い時というのは、目にはっきりとは見えないけれど、逃れたいけど逃れられない運命の前で、なにかあがいて、抵抗し、本当にこれでいいのかと自問自答する、そんな時がありますよね。そういった葛藤を経て人はだんだんと成長していく・・・映画の中のグルーパーズも、ベトナム戦争真っ只中の不安な時代に、自分達の運命に対する漠然とした不安に立ち向かおうとしたのだと思います。それには漠然としたものでなく、形のある行為、不安を消し前へ進むためのきっかけが欲しかったのではないでしょうか。それがこの旅であり、ドムとの再会だったのでしょう(ドムが何かは映画を見てください)。
そういった姿に共感しますし、出てくるキャラクターの味付けがこれまたいいんです。結婚というこれまた重大な出来事に、戦争のために踏み切れない純情なやつ、秀才だけど本当の友がいない寂しいやつ、人のいいファンキーな飛行士、映画全編を通してず〜と寝ているやつ、など。でもその中でもやはり、ケビンコスナー扮するガードナーがいい!見た目や行動は明らかにいいかげん。しかし、中身は自分の将来に不安も感じ、そして何よりも一人の女性を愛しつづける純粋な男。親友がその彼女と結婚するのを黙って見つめ、最後に彼女と踊るファンダンゴが切なくて・・・
墓場の花火やガードナーの砂漠のシーンなど何かを暗示している映像もいいですし、キャデラック分解やスカイダイビングのシーンでがははと笑えるなど、友情、葛藤、愛情、別れ、旅立ち・・・と、青春の全て?がつまった、私の大好きな映画です。




ブギーナイツ(Boogie Nights)

1997年作品/監督・Paul Thomas Anderson/主演・Mark Wahlberg, Burt Reynolds, Julianne Moore他


ナイトクラブでアルバイトしていた高校生エディは、ある日、ポルノ映画の監督であるジャックにその巨根を見込まれ、ポルノ男優としてスカウトされる。エディは、その巨根とスタミナ、ハンサムな顔と肉体を武器に、ポルノ男優「ダーク・ディグラー」として、業界の寵児へとのぼりつめていく。出演する作品は大ヒット、ポルノ映画の数々の賞も受賞し、富と名声を手に入れたエディ。しかし、次第にドラッグにおぼれ、高慢な態度を取るようになり、ジャックら仲間とも袂を分かつことに・・・。同時に時代の波で、ポルノ映画産業も急速に冷え込んでいき、エディ、ジャック、あの頃の華やかだった仲間たちは皆、厳しい現実に直面していくことになる。

1970年代後半から1980年代にかけて、ポルノ業界で働く人々の光と影を描いた作品です。セックス、麻薬、暴力、殺人ときわどい題材を扱っているので、もちろん、家族で和気あいあいと見たり、アカデミー作品賞などは取れないでしょうが(ジャック役のバート・レイノルズがゴールデングローブ賞の助演男優賞などを受賞したりしましたが)、とても素晴らしい映画だと思っています。
実の親からも半ば見捨てられ、でも「誰にでもとりえはある」とポルノ業界での成功を目指すエディ。単なるマスターベーションの手段としてでなく、作品そのものの完成度の高さを目指す高尚な思想を持ったジャック。ポルノ女優であるがゆえ、愛する息子とどうしても一緒に暮らせない孤独なトップ女優のアンバー。そして、皆すねになんらかの傷を持ち、社会からの偏見にさらされているジャックの映画製作の仲間たち・・・キャラクターが皆、見た目と違い、純粋で、か弱く、時代や社会という荒波に簡単に翻弄され、でもだからこそ一生懸命生きている(生きようとする)姿が、ポルノ業界という偏見の目で見られる世界だからこそ、より鮮明に浮き上がってきます。
実の親にも負け犬とののしられていたエディにとっては、ジャックは父親であり、、アンバーは母親、そして映画スタッフは本当の家族とも言える存在であったのでしょう。子供は自分の力を過信し、親に反抗し外に出て行くのですが、結局現実の厳しさに直面し、自分の存在の小ささ・弱さを認め、親に許しを乞い、家族の元へ帰ってくる・・・セックスやドラッグ、暴力に代表されるような人間の業というものももちろん感じますが、それよりは、それを乗り越えるための、家族の絆、人間の再生、小さくても確かに光る希望、そういったものを強く感じる映画です。決して強い存在でない人間にむけるまなざしのやさしさというか、そういったものがたまらなく好きです。
監督はポール・トーマス・アンダーソン(次の『マグノリア』でベルリン国際映画祭金熊賞を受賞したり、最近ではダニエル・デイ・ルイスが石油王を演じた『ゼア・ウィルビー・ブラッド』でも高い評価を得ました)ですが、この映画を撮ったのはなんと26歳の時!そしてエディ役は、マーク・ウォールバーグ(1980年代一世を風靡したニューキッズ・オン・ザ・ブロックの元メンバーであり、その後映画俳優に転向。でもあまりヒット作がないですね。個人的に、マット・デイモンと雰囲気がかぶっています・・・)ですが、最初の候補者は、なんとあのレオナルド・ディカプリオだったそうです!彼がやっていたらどんな感じの作品になっていたでしょうか・・・他にも、ドン・チードルや、フィリップ・シーモア・ホフマン、ウィリアム・H・メイシーなど魅力的な役者が揃っています。



さびしんぼう

1985年作品/監督・大林宣彦/主演・富田靖子、尾美としのり、藤田弓子、小林稔侍他

尾道のある寺の一人息子、井上ヒロキは高校2年生。勉強勉強と口やかましく、またなぜかショパンの別れの曲を練習させる母親、無口な父親、そして馬鹿ばかりやる級友にかこまれ、ごく平凡な毎日。そんな彼が気になることと言えば、”さびしんぼう”と名づけてひそかに憧れている美少女のこと。そんなある日、自分を”さびしんぼう”と名乗る、不思議な格好をした少女が現れた・・・


うちの兄が、当時、富田靖子のファンであったため、このビデオをよく見ていました。私は最初、全然興味がなかったのですが、兄につられて何気なく見ているうちに、その魅力にとりつかれてしまいました。
誰でも一人や二人、遠くその横顔を見つめる、いとしい人がいたはずです。声に出したいけれど、その勇気もなく、でも、ただ遠くから見守るだけで十分で。そして、その人のその時の横顔は、永遠に心のどこかでそのまま生き続け、それを思い出すと今でも胸がきゅんと痛くなって・・・そんな青春時代の淡い恋心とせつなさが、ショパンの『別れの曲』にのって描かれます(ちなみに、『別れの曲』jは、正確には、『練習曲作品10号3番』と言います。1934年に製作された邦題「別れの曲」という映画で、この曲がキーになっていたことから、その後、日本ではこの名前が定着したそうです)。脇役もいい味を出していて、特に今は亡き浦辺粂子扮する、フキおばあちゃんは最高!そして、最後のオチ(シーン)は、私の琴線にドンピシャです!!
この作品以来、大林監督作品が好きになり、尾道もよく訪れるようになりました(尾道は雰囲気というか街の”におい”が昔住んでいた土佐清水市に似てるんですよね)。尾道にはセピア色の風景がよく似合います。
”人を恋することはとってもさびしいから、だから私はさびしんぼう。でもさびしくなんかない人より、私ずっと幸せよ・・・”のセリフ。人を想って切ない気持ちになれるのは、本当は幸せなことだと私も思います。



ラブロマンス


ゴースト ニューヨークの幻1ゴースト ニューヨークの幻2 ゴースト ニューヨークの幻(Ghost)

1990年作品/監督・Jerry Zucker/主演・Patrick Swayze, Demi Moore, Whoopi Goldberg, 他

若き銀行家サム・ウィートは最愛の恋人のモリー・ジャンセンと共に、幸せな日々を送っていたが、ある日ニューヨークの路地で何者かに殺されてしまう。しかし彼はゴースト(幽霊)となり、インチキ霊媒師のオダ・メイの力を借りて、自分を死に追いやった謎と、モリーに迫った危機を解決しようとする・・・


1990年度(第63回)のアカデミー賞では、助演女優、脚色の2部門を受賞した、当時の大ヒット映画です。
やはり、この映画は、ロマンスとファンタジー、サスペンス、コメディがバランスよく混じっているところが特筆すべきことでしょうか。しかしながら、DVDの特典映像を見ると、最初は監督と脚本家の仲がうまくいかなったようですし、主演もパトリック・スウェイジに決まるまでかなり難航したようで、その辺りの過程の大変さと実際の映画のバランスのよさがおもしろいところです。
この映画は、主演のパトリック・スウェイジには悪いですが(笑)、2人の共演者がキーです。まずは、髪型がショートカットのデミ・ムーア。かわいらしさ・きれいさは、映画史上に残る?最強さです(この映画のあとは、少し女性マッチョ路線になったりして正直イマイチであったと思いますが・・・)。もう一人は、やはりアカデミー賞助演女優賞をとった(アフリカ系アメリカ人の女性では2人目)、ウーピー・ゴールドバーグ。コメディの部分?を一手に引き受け、だからこそふと見せるやさしさの演技が、ロマンス部分を引き立ててくれています。
あとは、効果的なオールディーズの音楽、アンチェインド・メロディ。この映画のために作られたかのように、歌詞も雰囲気もぴったり合っています。



コメディ


ワンダトダイヤと優しい奴ら1ワンダとダイヤと優しい奴ら2

ワンダとダイヤと優しい奴ら(a Fish Called Wanda)

1988年作品/監督・Charles Crichton/主演・John Cleese, Jamie Lee Curtis, Kevin Kline, Michael Palin他


厳格な法廷弁護人アーチーの人生は、非常にセクシーなアメリカ女性ワンダの出現によっておかしな方向へ。ワンダがアーチーに近づくのは、彼女が関わった宝石強盗で、罠にはめた恋人の弁護人がアーチーだったから。その宝石の隠し場所をアーチーから聞き出すためあの手この手の色仕掛け。そこに、今の恋人、ちょっと切れてるオットーと、その罠にはめられた恋人に忠誠を誓っている、ケンという2人がからんで、だましだましてのドタバタ劇。果たして誰が宝石を手にし、そして誰がワンダの愛を得ることができるのか?

イギリス喜劇・モンティパイソンのジョン・クリーズとマイケル・ポーリンが、ジェイミリー・カーチス&ケビン・クラインと組んだブラックコメディの傑作です。
イギリス人とアメリカ人の風刺や、動物を使ったブラックジョークが満載で、ストーリーも一転二転。登場人物がこれまた一癖も二癖もあるやつばかりでおもしろい!
典型的なイギリスの堅物、でも心の中では自由を求める、アーチー。美しさを武器に男を手玉に取る、でも本当の愛を知らない、これまたアメリカ人の典型?ワンダ(外国語を聞くと欲情するというのも笑えます・・・)。行動力抜群で、自分は頭がいいと思っているけど、本当はオツムがちと弱い、オットー。動物をこよなく愛すが、悪いことは平気、言語障害がある、ケン。こういった人物がだましにだましあって、結局、誰の元にダイヤがいくのか?ワンダの愛は誰が得るのか?
ちょっとひねくれた笑い?ですが、全編がははと笑ってしまいます。アーチーがワンダにシャンパンを持っていくシーンなど大爆笑です。でも最後にはホロリするシーンもあるんですよね〜。またしても私の好きな展開で、好きな映画上位にランクです。
この4人主演で、1997年には危険な動物たち(Fierce Creature)という作品も発表されています。



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