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番外編

1.番組の紹介(あらすじ&登場人物 2.ザ・シンプソンズへのコメント(ザ・シンプソンズと私

1.番組の紹介

あらすじ

ザ・シンプソンズは30分一話の連続テレビアニメで、アメリカでは日曜日の20時という絶好の位置をキープしています。話は、一つのメインストーリーに時折、一つ、二つのスモールストーリーが絡むという展開で、ばかばかしい話から、心温まる話、身近な話題から社会問題まで扱ったりと、多種多様です。
雰囲気は、サザエさんとクレヨンしんちゃんに、8時だよ全員集合!やカックラキン大放送を足したものとイメージしてもらったらいいでしょうか?(全然わからない?)。
この作品では、マット・グレイニングらが作り出す、様々なメインキャラから脇役の正確づけが秀逸で、このアニメをインパクトのある、しかも、親しみやすいものにしていると思います。

また、ストーリーに何かをパクッたシーンが登場したり、実際の有名人がアニメキャラとして登場したり、有名な俳優たちがゲストとして声で参加しているのも魅力です。ポール・マッカートニー、エアロスミス、カーク・ダグラス、ジャック・レモン、メリル・ストリープ、グレン・クローズ、スーザン・サランドン、ウィノナ・ライダー、デビット・デゥカホニー&ジリアン・アンダーソン(彼らは本当のXファイルのキャラとして登場)など、そうそうたるメンバーが登場しました。日本のキャラ?でも、天X陛下が登場(声はもちろん無理)。ははは・・・
ちなみに、同じ人がかなりのキャラの声をかけもちしているのには驚かされます。声優(俳優でもある)ダン・カステラナダは、ホーマー、グランパ、バーニー、クラスティなどを、また、同じく、ハリー・シェラーは、バーンズ、スミザーズ、フランダース、スキナー校長、オットーなど、これだけたくさんのキャラがいながら、小人数でまかなっているのです。
かなりブラックなギャグを連発し、健全な子供向け番組とはいえませんが、ここアメリカでは子供から大人まで大人気です。
社会に悪影響を与えるものに対して特に厳しいアメリカで、ここまで長く成功しつづけているのは、表面の過激さやブラックさの一方で、大事な何かを語りかけることも忘れていないからだと思います。ストレートで、悪く言えば単純に、ガンガン攻める感じのアメリカ番組が多い中で、私はこのアニメの、細部にわたる凝り性(色々なところがすごく凝っている)と、絶妙な”ま”というものを大変気に入ってます。英語で聞くとかなり難しい言葉を使っているのですが、言葉が分からなくても思わず吹き出してしまうタイミングをこのアニメは心得ているのです。
The Simpsons

登場人物
注:ネタばれになりそうな物もあるのでご注意を

Homer
ホーマー(HOMER)

36歳。一家の大黒柱。しかし、ドジで、時折(いつも?)頼りない。
思い込みが激しく、単純で、衝動的、本能のまま動くこと多々あり。精神年齢は息子のバートとほとんど同じ。でも、何不自由ない満足な生活をおくっているし、運は非常に強いのではないだろうか。
ミスター・バーンズが経営する、スプリングフィールドの原子力発電所で働く(入社から最も長く働いているという記録を持つ)。
食べることが生きがいで、ドーナツ(特にラズベリー味)には目がない。カウチに座ってTVを見ながら、ビール(Duffビールという安物が大好き)を飲むのが何よりも楽しみ。
口癖は、”ドゥッ!”(怒ったり、がっかりした時)、”ンムゥ〜”(何かに心惹かれた時)。
ビック・フットに間違われたり、NASAの宇宙飛行士として宇宙に行ったり、セクハラで訴えられたり(お菓子がらみ)、大砲の玉をおなかで受け止めるアトラクションで旅回りしたり、といろいろな経歴を持つ。父は老人ホーム(仲はあまりよくない)へ、母は死んだことになっている(実はまだ生きている)。義兄がいるが、彼のせいで、超大金持からホームレスへ。
見た目はただのおっさんだが(昔はもちろんふさふさの髪があった)、この漫画の主人公である。彼の魅力は一言では言い表せない。


Merge
マージ(MARGE)

34歳。美人の良識ある妻で、隠れファンも多い、一家のまとめ役。スプリングフィールド1大きい髪型を持つ(中にはお金やおんどり、そしてマギーが時折隠れている)。
家事がメインの仕事であるが(彼女の料理は天下一品)、小学校の先生、警察官、ドライブインのウェイトレス、不動産の仕事や、フィルムフェスティバルの企画、TVのバイオレンス反対運動を指揮などもしたことがあり、とても活動的。
しかし、万引き歴があったり(クイック・E・マートでお金を払い忘れて、現行犯逮捕)、ギャンブル中毒になったり、プローボーラーと不倫をしそうになったりと、どこかおかしな所も。
あのかすれたセクシーな声(アメリカ・オリジナル版)で一家の暴れん坊たちを諌める重要な役目をもつ。


Bart
バート(BART)

10歳。本名は、バーソロミュー・J・シンプソン。常軌を逸した、はちゃめちゃ小学4年生。
学校嫌いの、いたずら、冒険好き。悪知恵には長ける。
テストのカンニング、ふざけて物を壊すこと(スプリングフィールド創設者のジェベディアの銅像の首を取ったり)、いたずら電話(モーのバーによくかける)から、国際的な規模(フランスやオーストラリアなどで)にいたるまで、悪いこと(いいこともあるのだが)は数知れず。でも正義感もあるし、根はいいやつ。困った時にはリサの助けを乞う。
スケボーやテレビゲームが得意。フランス語もしゃべれる。クラスティー・ザ・クラウンが大好き。魂を$5で売ったことがある。
ホーマーと同じく、もう一人の主人公といえる。


Lisa
リサ(LISA)

8歳。自分自身を”もっとも悲惨な小学2年生”とよんだこともある、シンプソン家の天才児。
やさしく、成績優秀(Aばかり)で、バリトン・サックスをふく(時折、ギターも)。
マージと同じく、一家の中では、唯一(?)常識を持った女の子。でも少し大人びすぎていて、人生についてなど、難しいことに悩むことも。また、勉強(成績)ノイローゼの気があり。けんかもよくするが兄・バートを慕う。
初恋は臨時講師、ミスター・バーグストロム(声は偽名を使ったがダスティン・ホフマンだそう)。次は、いじめっ子のネルソン(初キスの相手)。
ジャズ・プレイヤーのブリーディング・ガムズ・マーフィーとは年齢をこえてお互いを認め合っている。


Maggie
マギー(MAGGIE)

1歳。おしゃぶりが必需品の、無邪気な(何も考えていない?)赤ん坊。
スーパーのスキャナーによると、$847.63。
器用さは低く、よく転ぶのであるが、悪名高いベビーシッターからバートやリサを解放したことも。
TVが大好きであるが、TVの暴力シーンを見過ぎて、ホーマーを木槌で襲ったこともある。
一つまゆのジェラルドという赤ん坊がライバル。
しゃべったことは・・・


SANTA'S LITTLE HELPER & SNOWBALL2
サンタズ・リトル・ヘルパー&スノーボール2(SANTA'S LITTLE HELPER & SNOWBALL2)

グレイハウンド種のサンタズ・リトル・ヘルパーは元、ドッグレース犬。しかし、レースの成績が悪く捨てられていたところを、クリスマスの日に小犬を探していたシンプソン家に拾われる。
一度死にかけたことあり。頭はあまりよくない。
スノーボール2は、昔、車にひかれて死んだ猫、スノーボールの代わりに飼われ始めた。
同じく、頭はあまりよくない。
よく2匹ともどうでもいいような扱いを家族から受ける・・・


Grampa
グランパ(GRAMPA)

本名、エイブラハム・シンプソン。
元、クランベリーサイロのウォッチマン。昔はばりばりの軍人もやっていた。今は、スプリングフィールド・リタイアメント・キャッスルという老人ホームに住む。
昔は酒ばかり飲んでいたらしく、ホーマーとはあまり仲がよくない。老いてはいるが、やはり血気盛ん。しかし、すこしボケていて、とんちんかんなことを口走る。よく、ホーマーやバートにからかわれる。
背中の発作用の赤い薬2種類と不整脈の黄色い薬は手放せない。
いきなりが〜っと眠ったり、あ〜と叫ぶ。


Mr. Burns
ミスター・バーンズ(MR.BURNS)

スプリングフィールドで、最も権力があってお金持ちの原子力発電所オーナー。81歳と104歳説アリ。
”エ〜クセレント!”と”スミザーズ、奴を首にしなさい”が口癖。
性格悪し。牙を含む、歯のコレクションをしている。しかし、体力がなく、幼児よりも弱く、太陽が嫌い。
知事に立候補したこともある(自分の欠陥だらけの発電所をそのままにしとこうとして)が落選。
ホーマーとは非常に遠い血縁関係があり、また、マージの母に求婚したこともある。
いつまでたってもホーマーの名前を覚えない。

Smithers
スミザーズ(SMITHERS)

ミスター・バーンズの腰巾着。彼の身の回りの世話を一切引き受ける(朝、ミスター・バーンズを起こし朝食をつくることから、夜、彼に毛布をかけて寝かしてあげるまで)など、約3,000近くのミスター・バーンズのための変な仕事があるという。
裸のミスター・バーンズのスクリーンセーバーを持つなど、本当に彼が好き(?)。
だってゲイだもの。


Moe
モー(MOE SZYSLAK)

モーズ・タバーン(モーの居酒屋)というバーを経営。
カスタマーはホーマーやバーニーといった一癖もふた癖のある連中ばかり。
バートのいたずら電話に悩まされている。
ホーマー考案のカクテルを売り出して(フレーミング・モー)、大もうけしたことも。
元ボクサーの経験あり。


Barney
バーニー(BARNEY)

酒場の常連。ビールを飲んでは、ゲェ〜ップと豪快なげっぷを披露する。灰皿にたまったビールやごみ箱のピーナッツも平気で食べる。
ホーマーと同級生で、彼と同じくDuffビールが大好き。
スプリングフィールドの精子銀行からの収入で生活する。
歌(元ビーシャープス所属)に映画にと結構芸術関係に強し。

Flanders
ネッド・フランダース(NED FLANDERS)

シンプソン家の隣人。左利き用器具の製造にたずさわる。
一家で聖書の教えを実践している善人であるが、隣の悪魔のようなシンプソン家(ホーマーとバート)からは、偽善者と馬鹿にされ、時折、その純粋さも悪に利用される。
子供の頃はハチャメチャだったが矯正されて全然怒らない人に変わってしまった。
妻のモードと子供二人(ロッドとトッド)がいる。


Wiggum
ウィッガム署長(CHIF WIGGUM)

本名、クランシー・ウィッガム。スプリングフィールドの警察署長。
息子ラルフはリサの同級生(ラルフは結構リサをお気に入り)。
まるまるとした体型でわかるように、食べ物が好きで、見回りも、ドーナツやアイスクリーム工場、食品加工工場などを受け持つ。
彼がムチャクチャいい加減なことから分かるように警察自体も皆イイカゲン。

Selma & Patty
セルマ&パティ(SELMA&PATTY)

マージの双子の姉。マージと違って性格は悪く、いつもしかめっ面をしている。
髪の毛の真ん中がへこんでいるのが、セルマである。共に交通免許センターの視力検査室で働く。
共に嫌いなタイプの男は、ホーマー。
セルマは、俳優のトロイ・マクローア(声のフィル・ハートマン氏に合掌)と結婚したことあり。
セルマのペットは、トカゲのジャブジャブ。

Skinner
スキナー校長(SEYMOUR SKINNER)

バートやリサの通う、スプリングフィールド小学校の校長。
かなりマザコンの気がある。ニックネームはスパンキー(やんちゃ坊主?)。
頭はもっぱらカツラだといううわさ。クラバップル先生とできている。元、ビーシャープスのメンバー。
彼はモチロン、”スキナー校長”なんだが、実は・・・。
彼の時折発する、”ノ〜〜〜〜!!”という叫びが私大好きです。


Krabappel
クラバップル先生(EDNA KRABAPPEL)

バートの担任。彼にはほとほと手を焼いている。
以前バートにだまされ、架空の人物、ウッドローに本気で恋をしたことも。
男日照りで欲求不満。


Otto
オットー(OTTO)

スプリングフィールド小学校のスクールバス運転手。
いつもウォークマンをかけ、音楽ガンガン、頭フリフリで運転する。
15回事故っているが、ひとりも重傷者を出したことがないのが自慢。
バートと仲がよい。ギターのテクニックもなかなか。


Milhouse
ミルハウス(MILHOUSE)

バートの仲間。気はあまり強くない。ネルソンによくいじめられる。
バズーカ・ジョーのコミック集めが趣味。フォルアウト・ボーイとして映画に出演するチャンスを得るものの・・・
サマンサという女の子にいい感じで初恋をするが、バートに邪魔されおじゃん。
バートの魂を$5で買った。
めがねを外されると何もできない。


Martin
マーティン(MARTIN PRINCE)

バートのクラスの優等生。IQ-216。
漫画より、文学作品や教科書が好き。しかし、運動などがからっきりだめで、よくからかわれる。
性格が反対のバートとよく取り引きをして(一方的に取り引きされて?)勉強を手伝ったりするが、その損な性格はなおりそうもない。


Nelson
ネルソン(NELSON)

スプリングフィールド小学校1のいじめっ子。
ホットフッティングといってつま先に火をつけたり、ごみ箱に人をいれてころがしたりする。
バートと争っていた(いじめていた)が、バートの策略により、休戦協定を結ぶ。
一時、リサといい仲になるが、やはりそのアウトローさはなおらなかった。

はぁっーはぁー!が口癖


Willie
ウィリー(GROUNDSKEEPER WILLIE)

スプリングフィールド小学校のグラウンド・キーパー。
スコットランド人で訛りが強い。
(赤)毛深く、マッチョマン。いつもイライラしている。


Bleeding Gums Murphy
ブリーディング・ガムズ・マーフィー(BLEEDING GUMS MURPHY)

スプリングフィールドの”ジャズ・ホール”で演奏する伝説のジャズ・プレーヤー。
彼のサックスによるブルースは聞く人の胸をうつ。
リサのよき理解者。
長い間会ったことのない弟がいるが、それが同じくスプリング・フィールドのドクター・ヒバートらしい。
彼の最初で最後のアルバム”Sax on the Beach”は$500のプレミアがつく。


Lovejoy
ラブジョイ神父(REVEREND LOVEJOY)

シンプソン家が通う教会の神父。結婚カウンセラーも務める。
日曜の朝の心地よいベットとTVやNFLの試合などが嫌い(だって日曜に教会に来てくれない)。
おもちゃの汽車が趣味。
内緒でフランダース家の庭で犬に??をさせたりする


Apu
アプー(APU)

本名は、長くて発音できない(Apu Nahasapeemapetilon!)。
クイック・E・マートの店長。この店はよく強盗に襲われる。
インド出身の、ベジタリアン。ものすごく強いアクセントでしゃべる。
ヒンズー教徒の彼にとっては”Don't have a cow, man!”の意味が違う(わかる?)。
今は幼なじみだった女性と結婚している。


Dr. Hibbert
ドクター・ヒバート(DR. HIBBERT)

シンプソン家のファミリー・ドクター。シンプソン家の全ての子供をとりあげた。
タイミング悪く、ジョークを言ったり笑う癖がある。
ブリーディング・ガムズ・マーフィーが長い間会ったことのない兄らしい。
若い時の髪型は結構変(アフロにモヒカンetc.)



Krusty
クラスティー・ザ・クラウン(KRUSTY THE CLOWN)

大きな赤鼻、緑の毛、ダブダブズボンのピエロ。
ピエロらしく、観客の前では常におどけてるが、裏では結構冷めている。
彼のTVショー”クラスティー・ザ・クラウン・ショー”は子供たちに大人気。しかし、親や教育者には評判がよくない。
バイパス手術をうけ、ペースメーカーをつけている。
あと、字を読んだり書いたりすることができない非識字者である。
彼関連の商品が多数出回っているが、質は最低。


Sideshow Bob
サイドショー・ボブ(SIDESHOW BOB)

本名、ボブ・ターウィリガー。ヒトデのような赤髪と緑の腰蓑が特徴。
”クラスティー・ザ・クラウン・ショー”においてクラスティーのアシスタント的役割をするが、特に人間大砲で飛ばされたりとやられ役を受け持つ。
それら長年のいじめに耐えかねて、策略によりクラスティーを警察行きにするものの、バートの機転で失敗に終わり自分が警察へ。それ以来、バートに復讐を誓う。
彼の歌やダンディさに惚れている女性ファン多し?


Itchy & Scratchy
イッチー&スクラッチー(ITCHY & SCRATCHY)

クラスティー・ザ・クラウン・ショーのなかで放送される、きわめて残虐な描写がウリの人気アニメ。
いつも殺るのはイッチーというねずみで、殺られるのはスクラッチーというねこ(一度、スクラッチーがあと少しでイッチーを殺しかけたことがあるが)。スクラッチーは何度殺されたかわからない。
マージたちの反対で、一度美しい友情番組に方向転換させられたが、また元に戻った。究極の友情物語か?
ちなみに彼らのテーマ曲の歌詞は、
”They fight, they bite/they bite and fight and bite/bite, bite, bite/fight, fight, fight/The Itchy and Scratchy Show〜”


Itchy & Scratchy moving


2.ザ・シンプソンズへのコメント

ザ・シンプソンズと私 Bart face

注:字ばかりで長いので暇な人だけお読みください


1.ザ・シンプソンズとの出会い

ザ・シンプソンズを初めて見たのは、1990年代のことでしょうか。実家の香川で何かの映画を見に行った時、本編が始まる前に上映されていました。
これは前述の60秒ぐらいのショートバージョンだったわけですが、その時の印象は、なにかけったいなアニメやなあということだけでした。
それから、別に日本で大流行するわけでもなく、ザ・シンプソンズは私の中ではどうでもよい存在でした。
唯一、私の彼女がBSでシンプソンズを見てたらしく、ザ・シンプソンズはおもしろいよ〜!と言っていたのが頭にひっかかっていましたが、WOWOWなどを見れない私にとっては、”そうかなあ?”という感じでした。



2.ホーマーはこわい?

そういや、ザ・シンプソンズのキャラってこわいと思いますか?
この当時の私のザ・シンプソンズへの印象は、上で”けったいな”という形容をしましたが、それはこわいという感覚にも似ていました。これは自分ではセサミ・ストリートの感覚に似ています。

昔からセサミ・ストリートは放映されていましたが、私は嫌いでした。というか、こわかったのです。目がぎょろっとしていて、へんな体型のパペットたち。日本人には馴染みのない視覚的インパクトがある上に、彼らは私の理解できない英語でぺちゃくちゃしゃべるわけです。子供の頃、なんと恐ろしい番組だと思ってました(そう思ってなかったら、この番組のおかげでもっと英語の力が伸びていたかも)。
しかし、大人になり、留学のための英語の勉強の一環として、改めてセサミ・ストリートを見ると、なんとおもしろいことでしょう。特に、あのキャラたちがとてもかわいらしく見えることに我ながら驚いてしまいました。昔のあの思いはどこへやらという感じです。いっぺんで、この番組のファンになってしまいました。

のちに、ザ・シンプソンズもこれと同じ経過をたどることになるのです。確かに今のバージョンより、昔のショートバージョンはすこし絵が荒々しくこわかったのです。
しかしそれを考慮しても、これほどザ・シンプソンズのキャラを好きになろうとは、この当時は夢にも思っていませんでした。


Previous Bart & Lisa Previous Homer, Marge & Maggie


3.アメリカでの再会

いずれにせよ、日本では、ザ・シンプソンズを見る機会は全然なかったわけです。
そして、96年の10月にアメリカへ留学。最初の頃は、勉強になるということで、アメリカのTV番組をよく見ていました。
特にいいのがアニメでした。子供向けですから、言葉もストーリーもわかりやすかったのです。フリント・ストーンなんかをよく見ていました。
そうこうしているうちに、なにげなくチャンネルを変えていた時に発見したのが、地元で夕方に再放送されていたザ・シンプソンズだったのです。

どうも昔の映画館で見たのとは印象が違います。じーっと見続けてみました。
セリフは速いし、スラングが多いようで非常に聞き取りにくい。しかし・・・
実におもしろいじゃないですか!!

キャラの表情や声もおもしろいし、何よりも英語が分からなくてもおもしろいと感じることのできる、”ま”というものを持っていたのです。
”ま”というのは、すなわち”リズム”とでも言いかえれるでしょうか。
フリント・ストーンのような古典的なアニメが結構平坦なリズムで進行するのとは違い、かといって、バットマンやスパイダーマンのようなアクション物のようにただガンガン突き進むようなリズムの物でもありません。
実際を見てみないとその感じはわからないでしょうが、古くから映画やお笑いでも”ま”を大事にしてきた日本人に、ストレスを感じさせることなく、むしろ心地よさを感じさせるものを持っていると思います。
本当に絶妙な”ま”といわざるをえませんでした。


Homer Oh No-! Homer D'oh!


4.芸の細かさ

それ以来結構よく見るようになったのですが、他にも発見したことがあります。
すごく細部に凝っているんです。
いきなり話がとびますが、昔”料理の鉄人”という有名なTV番組がありました。その中で、以前、フレンチの鉄人が、石鍋さんから坂井さんに交代した時がありました。しかし、鹿賀さんがピーマンをかじるあのオープニングを見ると、壁にかかった写真が石鍋さんのまま、つまり前のバージョンをずっと使い続けていたのです。
これを見て私は一人、なおさんかい!と文句を言っていたものです。すなわち、こういう手抜きがないのです。

例えば、オープニングのシーンがあげられます。
バートが小学校の教室で黒板になにかを書かされているシーンがあるのですが、その言葉がほとんど毎回のように変わるのです。
また同じくオープニングで、家族のみんなが集合してTVを見るシーンもあるのですが、カウチが床を突き破ったり、ひとりがカウチから跳ね飛ばされたりと、これまたいろいろなバージョンが用意されているのです。
このオープニングを見るだけで少し得した気持ちになれたものです。
本編もそうです。見落とされそうな背景になにかおもしろいことがかかれてあったりします。
こういう、そんなに大事でもないようなことに一生懸命力を入れている、しかもそれを作り手が楽しんでやっているという雰囲気がよく伝わってくるわけです。
そんな作り手の粋な遊び心も気に入りました。

長い間英語で聞いていると言葉にも慣れ、セリフもだいぶわかってきましたが、そうなると、今度はそのセリフがすごく凝っていて、さらに笑えるようになりました。
具体的には難しいですが、ハハーン、なるほどねえと感心する、直接的でない言い回し、気の利いたセリフがちりばめられているのです。
これでますます、ザ・シンプソンズを好きになってしまいました


Bart & Blackboard


5.ザ・シンプソンズ-人気の理由

よく、なぜシンプソンズがそんなに人気があるのか、アメリカでこんなに長くつづいているのかを考えることがあります。
なぜなら、一見、この番組はけっして健全なお子様番組ではないように見えるからです。
日本と違い、アメリカではまだまだアニメは子供たちのものというステータスが強いですし、子供たちに悪影響を与えそうなものに対しては制限がものすごく厳しいのがアメリカというお国柄です。
ブラックな笑いを数多く含む、このシンプソンズに対して何らかのアクションがあっても不思議じゃありません。
確かにこの番組を嫌う人々もいますが、それよりも子供から大人までこの番組を好きという人々の方が多いのが実状といえます。


なぜ受け入れられるのか?それには私が前述したような要素も確かにあると思います。
しかしそれよりも、この番組が現代の世の中をよく反映しているからだと思います。
世の中は従来の価値観で支配されていて、すべての物事を枠にはめ、画一的に捉えようとしがちです。しかし、世の中は矛盾だらけです。
今の日本の政治の世界に見られるように、人間不信になるような負の部分もたくさんあります。
個人の生活や物の価値観は多様化しています。ひとつの尺度では測れない世の中になってきています。
そんな時に、例えば一方的な道徳的メッセージを直接投げかけてもなにかピンとくるものがないとは思いませんか?
人間の良いところばかり描いても、リアリティがありません。
テレビの中でこそ、理想の、夢の社会をという意見もあり、それはそれで必要なことと思いますが、一方で、色々な人間の猥雑さや弱さをみせることも重要なことと思います

シンプソンズの中ではいろいろな世の中の姿が見られます。
家族愛や友情をうたうこともあるし、人の悪い面を堂々と見せることもあります。表面的に見えなくても、その裏で何かのメッセージを感じることもあります。
そしてそれらが決して固い説教口調になるわけでなく、良い面、悪い面、バランスよく、笑い-ユーモアというオブラードに包まれて出てくるのです。
何かのパクリもたくさんあります。
今の世の中と同じように、”矛盾があってもいいじゃない”、”悪いことがあってもいいじゃないか”、”パクリがどうしたっていうの?”
つまり、いい意味での”余裕”というものがこの番組には感じられるわけです。
まさに自由の国(本当かどうかは疑問ですが)アメリカで生まれた、”自由”を感じさせる番組です。

狭い考えを大きく包むような度量の広さ、子供にはダイレクトに楽しく、大人たちには何かをちょっと考えさせる、そんな所がこのアメリカで広い世代から支持を得ている大きな理由と私は思います。
何かに縛られたような、頭の固い人々を鼻でせせら笑うかのようにバートは言います。
”Don't have a cow, men!(まあ、まあ、落ち着きなよ!)”と。


Family member



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